国民が皇族の恋愛に口を挟む不思議(日本国民党情報宣伝局長 金友隆幸)

情報宣伝局長 金友隆幸

情報宣伝局長 金友隆幸

 眞子内親王殿下の年内のご結婚がようやく決まったと一部報道が出た。まことにおめでたい限りだ。

 お二人の婚約内定会見から約4年間にわたり、若いお二人に対して「保守」や「愛国者」を名乗る人々の罵詈雑言の類いは、実にひどいものであった。

 普段は「尊皇」を口にしておきながら、「皇室は税金で生活してるんだから、国民の声を聞け」などと言う者まで出てきた。

 皇族方は、入内される以外、生まれながら皇族であり、ご本人が皇族となるかどうかを選べない。それで「税金」を理由にして物言いするのは、左翼と変わらない。

 あるいは結婚相手となる人の人格攻撃をして、「あんな人間と結婚したのでは、幸せになれない」と言う言説も多く見受けられた。その人が幸せになるかどうかはその人が決めることであり、他人がとやかく言うことではない。

 たとえば、私は今の運動がしたくてしたくて仕方がなくて、この運動をやっている。

 警察に睨まれ、反対勢力や批判者どもから山のように悪口雑言を言われたりもする。人がどう思うかは推して知るべしだが、尊敬できる仲間たちと共に、時に真剣に、時に面白おかしくやる運動は、生き甲斐であり、私は幸せだ。むしろ贅沢なぐらいに思っている。

 よく「右翼運動をすれば、残るのは前科と借金だけ」と自嘲的に言われるが、そんな先輩方も皆、幸せそうだ。

 つまり、世間が決めつける「幸せ」と本人が感じる「幸せ」の間にはズレがある。当たり前の話だ。

 そうしたことを考えれば、今回のお二人の結婚をめぐる、多くの保守の言説はおかしなものだった。「世の中お金じゃない」と普段から口にして、新自由主義的路線に反対しているはずの者が、「あんな人間と結婚したら金で苦労する」とほざいているのだ。そんな者は竹中平蔵の家で雑巾がけでもしていればいい。「皇室を尊ぶべし。皇族方の言われることに反する者は逆賊」ぐらいに言っている者が、「諫言」「忠言」と称して刊行物に好き勝手な手前の意見を開陳して、若いお二人を中傷している。

 そういう人にとって皇室とは、自分の言説に正当性を得るための道具に過ぎなかったのだろう。こういう者が戦時中、「上官の言葉は天皇陛下のお言葉」と言って部下を殴ったりしていたのかと思う。

 国民が皇族の恋愛に小姑のごとく口を挟む様は不思議を超えて、日本の先行きが心配になる。日本国民は猛省が必要だ。