「大臣来いよ!」政務官に直談判!「竹島の日」記念式典、怒号に包まれる

竹島の日式典

竹島の日式典

 日本国民党は2月22日、島根県らが主催する「竹島の日」記念式典に出席した。新型コロナ感染の対策として例年の半数程度となる235名が参加した。島根県竹島問題研究会座長を務める下條正男拓殖大学教授と竹島問題研究会の佐々木茂顧問の講演もあり、3月に退官する下條教授は「韓国は『トクト、ウリタン』がすべて。国際司法裁判所では解決できない。日本が国際法に拘るから解決が遠のく」と厳しい口調で話した。

 丸山達也島根県知事らの挨拶を経て、和田義明大臣政務官が壇上に立った。直後、党員から「大臣が来いよ!」「誰も政務官なんて呼んでないぞ!」「島根県が呼んだのは大臣だろ!」と怒号が飛び、地元参加者も呼応した。あくまで島根県が来賓に招いているのは菅首相、小此木領土問題担当相ら6人の関係閣僚だ。

 終始うつむきながら原稿を「朗読」する和田政務官は領土問題担当大臣を設置したことを実績だと述べたが、島根県の「竹島の日」条例から七年遅れで設置された特命大臣にもかかわらず、本人が出席しないのでは話にならない。間髪入れずに「じゃあ、そいつが来いよ!」と指摘が飛んだ。

 また、「竹島は歴史的事実に照らしても、国際法上も明らかにわが国固有の領土」と代わり映えしない言葉を並び立て、領土・主権展示館のツイッター開設を報告。「4000人のフォロワーを獲得した」と誇らしげに語るも、その姿は実に奇矯で、政府と島根県の温度差に愕然としたことは言うまでもない。大臣の歳費だけで島根県の竹島関連予算並みの年間約3000万円もの予算が割かれているにも関わらず、取り組みが「SNSで呟いでいます」では、「政府の仕事はつぶやくことかよ!」とヤジが飛んだのは当然の帰結であろう。

 挨拶を終え、着席しようとする和田政務官に「次は菅首相連れてこい!」「大臣連れてこい!」と追及。司会者は「お静かに願います」と繰り返し、県職員は「静かにしてください」とプラカードを掲げたが、式典の16回という数字は島根県が孤軍で戦っている年数だ。これを「ガス抜き集会」と終わらせるわけにはいかない。

プラカードを持つ島根県職員

プラカードを持つ島根県職員

 政権与党たる自由民主党を代表して登壇した小野寺五典組織運動本部長(衆議院議員)は「式典に『領土問題担当大臣が出席できるよう』政府とともに取り組む」と発言。現地式典に大臣が参加する意義は大きく、与党から言質が出たことは大きい意味を持つ。

 立憲民主党からは地元選出の亀井亜紀子国際局長( 同) が登壇。その所属政党から批判されることの多い亀井氏だが、同じく地元選出の国会議員でありながら、埼玉県の新藤義孝衆議院議員を「最も熱心に竹島問題に取り組んでくれている」と他人事のように紹介し、新型コロナの感染者数の報告に終始した挙句、「本日は誠におめでとうございます」と言い放った細田博之衆議院議員こそ、批判されるべきではないか。竹島が属する島根1区の議員として問われる。

政務官に直談判!

 一部の式典後、20分間の休憩時間に山本和幸事務局次長は動いた。和田政務官の控室へと赴き、「政務官しか来ないならいない方がいい。来年からは大臣を連れてこい」と直談判!

 重ねて「政権与党の自民党が領土問題担当大臣出席を県民の前で約束した。できない理由は何一つないだろう」と詰問した。和田政務官は動揺しながらも「頑張ります。しっかりと受け止めてまいります」と繰り返すばかり。原稿がないから答えに窮したのか。