【書籍紹介】『朝鮮大学校研究』産経新聞取材班、産経新聞出版 刊

『朝鮮大学校研究』

 本書は平成29年、産経新聞が取材班を組み、北朝鮮と朝鮮総連の強い支配下にある朝鮮大学校の「闇」に切り込んだもの。背景には、小池百合子氏が東京都知事選挙で初当選を果たした平成28年、歴代都知事が慣例として送り続けていた関東大震災における「朝鮮人虐殺」の追悼文を取りやめ、都政が「反朝鮮」に舵を切ったことも理由に挙げられるだろう。

 朝大OB、総連関係者に接触し、取材したものを基に記されている。結果、北朝鮮との密接な関係、思想性の強さ、工作活動、基盤の瓦解、求心力の低下など組織が弱体化していることが暴かれた。

 しかし、小池都知事が朝鮮大学校の認可見直しもすると本書は推測していた。残念ながら、未だに朝鮮大学校は存在している。

 私は5月10日、佐藤悟志氏、村田春樹氏が主体となって取り組んでいる朝鮮大学校入学式に対する街宣に参加した。今年は武漢肺炎の影響により奇しくも「入学式粉砕記念」となったが、親北朝鮮派の物理的な妨害は凄まじく、常軌を逸していた。

 私たちは北朝鮮による思想・工作機関たる朝鮮大学校との対決姿勢を明確にしている。

 問題点を再認識し、状況を把握するためにもオススメしたい一冊だ。

(評者 九十九晃)