コロナ禍で浮き彫り 日本の問題点
今回のコロナ禍では一連の騒動を通して、日本が抱える様々な問題が浮き彫りとなった。全てを挙げるのは無理だが、代表的な問題点を列挙しておきたい。
東京一極集中
政府による緊急事態宣言は5月25日で解除となったが、東京では本紙執筆時点で連日二桁の感染者が確認されている。いまだに感染者が出ていない岩手県の人口密度が87人/km2であるのに対して、東京はその70倍近い6015人/km2という凄まじい過密ぶり。しかも東京への人口流入は全くとどまる気配無し。テレワークの促進や企業、官公庁、大学の地方分散を国策で進めるべきではないか。
パチンコ屋を閉鎖できない
自治体が休業を指示しても、それに従わないパチンコ店の傍若無人さと行政の無力さが改めて浮き彫りとなった。
パチンコ店に限らず、感染のリスクが高いと指摘された業種はキャバクラやスナックといった飲食店や、ソープランド、ヘルスといった性風俗店などが挙げられていた。これらは全て「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(以下:風営法)の営業許可に基づく業種であるが、風営法では店を営業停止処分にできるのは法令違反をした時などに限られており、感染症の危険など緊急事態への対処条項が無いのである。行政が営業の許可を出しておきながら、その営業を止める事が出来ないのは法の欠陥と言わざるを得ない。
外国人の大量入国
これは本紙で何度も指摘している事だが、去年の訪日外国人が3188万人という凄まじい数に達していた。一日あたり9万人近い。この人数を検疫、管理するのは容易ではない。入国人数の大幅な抑制が必要だ。
そして、観光業界もこれを機に支那朝鮮といった反日国家頼みの情けない営業姿勢を改めるべきだ。
オリンピックってそんなに重要?
政府や東京都は否定しているが、今回のコロナ禍で外国人入国規制と緊急事態宣言の発令といった初動対応が遅れた一因はオリンピック開催を懸念していたであろうことは衆目一致するところだ。果たして国民の生命財産を犠牲にしてまでやる事なのだろうか。
開催委員会は来年夏の開催を目指しているが、世界ではブラジルやスウェーデンのように感染拡大防止措置を採らない国や、インドやロシアのように感染増加が続く国も多い。オリンピックでまた感染爆発が起きたのではたまらない。
また、莫大な開催費用を乱費させ、世界各国の持ち回りでやるのは大きな無駄だ。高校野球甲子園のように「開催地固定論」もあるが大いに検討すべきだろう。
悪質転売屋が実質野放し
今は落ち着きを取り戻したが、一時は悪質な転売屋たちによってあらゆる店からマスクや消毒液が消え、ネットで高額取引される事態が起きた。
政府は国民生活安定緊急措置法改正でマスクの転売を禁止したが、同法違反での逮捕者は6月になってわずか一人と、事実上の野放し状態であった。非常事態下で社会に混乱をもたらす悪質転売行為には迅速な検挙と処罰が求められ、そのためのさらなる法整備が必要だ。