過去の法制定と取り締まりから見る今後のヘイトスピーチ法

ヘイトスピーチ法は今後どうなっていくのだろうか?過去の法制定と運用の例から考えてみよう。

戦後の混乱期、盛り場や闇市に愚連隊と呼ばれる不良集団が出現した。東京都は昭和37年にこれを取り締まる為に当初は「愚連隊防止条例」と呼ばれる条例を制定し、その動きは全国自治体に波及した。その後、愚連隊は消滅したが、法律は残った。この法律は今では「迷惑防止条例」と総称され、取り締まり対象は愚連隊ではなく、痴漢、スカウト、客引き、押し売りなど幅広く適用されるようになっている。

暴走族などを取り締まるために昭和53年に改正された道路交通法の「共同危険行為」だが、平成28年5月には、複数の街宣車で鳩山由紀夫元首相の乗った車に抗議したとして、警視庁は同法を適用して民族派運動家二十人を書類送検している。

法律は当初、愚連隊や暴走族、暴力団といった例外的な少数者を取り締まるという建て前で作られ、やがて一般大衆にもその適用範囲を広げて来る。法律は一人歩きするという事実を重ねて認識して、今後の法制定と運用に厳しい視点と覚悟で対峙していくことが必要ではないだろうか。

(編集部)