利権ありきの明治神宮外苑再開発 再開発事業者に直訴する(九十九晃)
本紙でも幾度にわたり取り上げた「明治神宮外苑再開発を考える」活動は党派の垣根を超えた10代から30代の若手有志が行動した。
事業者に直訴する
9月15日早朝。有志はJR某駅に集まり、三井不動産代表取締役会長・明治神宮総代を務める岩沙弘道氏の自宅を訪問した。会長夫人に応対いただき、嘆願書をお渡しした。
明治神宮の歴史・伝統・文化を守るには明治神宮・三井不動産の両社で影響力を持つ岩沙氏の力が何としても必要だと考えたからだ。朝の忙しい時間帯にもかかわらず、私たちの嘆願をお受け取りいただいた岩沙夫人に本当に心より感謝申し上げたい。
次に伊藤忠商事の岡藤正広代表取締役社長のお宅に伺った。こちらはお会いすることは叶わなかったが、ポストに嘆願を投函させていただいた。
最後に向かったのは独立行政法人日本スポーツ振興センターだ。施設部企画調整役を通じて手交した。
その際、こちらが読み上げている最中なのに「写真は撮るな」だのいちゃもんを付けて妨害する始末。
要請文を手交後、拡声器を使用し同所の姿勢を批判した。
嘆願要旨
事業者ごとに少しずつ文面を変えたが以下が明治神宮外苑再開発を考える有志がお渡しした嘆願の要旨だ。
- 「神宮外苑地区まちづくり」プロジェクトに深く憂慮し、嘆願申し上げる。
- 本来であれば、貴社に伺いお話と嘆願書をお渡ししたかった。
- 貴社広報を通じ担当部署に対応を依頼。しかし、一切の対話を拒否。やむを得ず直接持参した。
- 私たちは明治神宮外苑の再開発を右派の立場から考える街頭活動を展開。外苑の樹木伐採に反対する有志。
- 神宮外苑は明治天皇、昭憲皇太后の遺徳を顕彰するために創建された。
- 外苑にある樹木の一本一本は、明治の御代を偲び、皇室への崇敬の念をもって植えられた。
- それを無慈悲に伐採し、高層ビルを建設。宿泊施設までセットで設けるというのは外苑の整備と創建の理念からかけ離れた蛮行。
- 大前提として、明治神宮外苑は商業利用地域ではない。
- 己が利益のために、対話の道も閉ざして、再開発を推進すべきではない。
- 営利至上主義に基づく、今回の再開発計画の再考を求め、改めて樹木伐採に反対を表明する。
明治天皇が神前で誓われた「五箇条の御誓文」にある「広く会議を興し万機公論に決すべし」を胸に刻み、今一度再考して頂きたい。
(報告・九十九晃)