営利主義に走り創建の理念を忘れた明治神宮外苑の再開発の再考を!
創建の理念失う1000本伐採計画
神宮球場や秩父宮ラグビー場などで知られる明治神宮外苑の再開発が進行する中で、外苑の樹木1000本を伐採し、ビルの高さ制限を解除して全体をテーマパーク化する構想が打ち出された。
明治神宮外苑の樹木は明治天皇のご遺徳を後世に伝えるために日本国民が一本一本植えたものである。これは明治神宮の創建の理念となっている。
今回の神宮外苑の再開発は伊藤忠商事・三井不動産といった大企業が絡み、営利主義に走った行為だ。
明治神宮外苑再開発を考える街頭演説会
そうした営利主義に走る神宮外苑の再開発について、これまで若手を中心として二回の「明治神宮外苑再開発を考える街頭演説会」がおこなわれた。超党派による演説会で8月7日に原宿駅前・参宮橋でおこなわれた第一回には小野耕資氏や髙田輝氏が出席。日本国民党からは鈴木信行代表と九十九晃党員がマイクを握った。
九十九晃党員は明治神宮の創建の理念を紹介し、商業主義に走る再開発について批判し、明治神宮に再開発を求める嘆願をおこなった。
鈴木信行代表は「再開発については考え直されなければならない。明治天皇の御示しで外苑が整備された。これまで緑を有効に活用し、ビルの開発を制限してきた。ここにきて、再開発の声が一気に浮上してきた」と経緯を説明した。
演説会後には九十九晃党員が中心となって明治神宮に再開発の再考を求める嘆願書を提出した。
「八百万の神の怒り」「神罰が下るべき」
その後の第二回演説会は神宮外苑の象徴ともいえる青山二丁目交差点から続くイチョウ並木の前でおこなわれた。再開発を推進する伊藤忠商事の本社ビルもすぐ目に入る場所で、しっかり反対の意見を届けることのできる場所だ。
第一回に続いて小野氏が出席し、新たに中村一晃氏が参加した。第一回と同じ様に九十九晃党員が外外苑再開発の経緯について説明し「神宮外苑の土地は商業利用していい土地ではない」と厳しい論調で批判した。その他の弁士も「創建の理念を忘れ、営利主義に走る再開発には八百万の神の怒りが降り注ぐ」「明治神宮外苑の樹木の一本一本が我々国民と同じものであり、切り倒すのは言語道断」などの非常に強い論調で批判の言葉が飛び交った。
鈴木信行代表もマイクを握り「明治神宮外苑の緑が守られたのは皇室ゆかりの地であるからだ。皇室に対する畏れをなくした再開発には神罰が下る」とかなり激しい口調で批判。明治神宮外苑の商業利用に反発した。
再開発賛成の声があるも商業利用阻止を
明治神宮外苑の再開発については、賛成する声があるのも事実だ。インターネット上では再開発に反対する人に「中央広場ガー」「当事者ではないのにー」と粘着する声もある。再考を求める運動は、明治神宮外苑の再開発そのものを批判しているわけではなく、営利主義による樹木の大量伐採を糾弾している。行政と結託し、ビルの高さ制限を排除して高層ビルやホテルを建設する行為は「儲ければ何でもいい」というスタンスに他ならない。
明治神宮外苑を商業利用する再開発は、現在おこなわれている北海道日本ハムファイターズの本拠地となる北広島市の再開発とは異なり、地域振興の利点も存在しない。
明治天皇と昭憲皇太后の遺徳を顕彰するというのが、明治神宮外苑が創建された経緯であり、大企業が大儲けするための場ではない。明治天皇が神前にて誓われた「五箇条の御誓文」にある「広く会議を興し万機公論に決すべし」という言葉を私たちは胸に刻み、体現すべきだ。
今後も超党派として活動し、明治神宮外苑が商業利用されることがないように嘆願を続ける。