参議院議員選挙を前に考える 右派政党国政進出の可能性は?

 今夏に予定されている第26回参議院議員選挙に向けて、各党とも選挙ムードに沸き立っている。

 とりわけ今回の参議院選挙には、ここ近年では例が無いほど、多くの右派政治団体が比例代表・選挙区ともに候補者を乱立させる動きを見せている。「自民党より右の政党」右派政党が、国政進出する可能性はあるのか、否かを探っていこう。

地方選挙結果から

 国政選挙での得票を考える上で、まずは地方選挙の結果を踏まえる必要がある。

 参議院選挙で、政党要件を獲得して比例代表で一人が当選するためには、全国で2%以上(約100万票)の得票率が必要になる。

 これを獲得できるかどうかを判断するには、地方選挙で、その政治団体の公認候補として地方選挙で2%以上の得票を獲得した地方議員がいるかだ。とりわけ、首都圏・東京であれば区議会議員選挙で3%は欲しいところだ。

 しかしながら、今回出馬を目指す政治団体の中で右の条件を満たす団体は無い。

 平成22年の参議院選挙に挑戦した日本創新党に、50名以上の首長、地方議員が集まっても結果は以下の表の通りだ。

選挙党派比例得票比例得票率
平成 4年 参議院選挙風の会221,6500.5%
平成10年 参議院選挙青年自由党247,3550.4%
平成19年 参議院選挙維新政党・新風170,5090.3%
平成22年 参議院選挙たちあがれ日本1,232,2072.1%
平成22年 参議院選挙日本創新党493,6200.8%
平成26年 衆議院選挙次世代の党1,414,9192.7%
平成28年 参議院選挙日本のこころ734,0241.3%
共倒れは不可避

 参議院選挙比例代表での政党要件獲得は、これまで平成の時代において、幾多の右派勢力が最大目標として挑戦しては、挫折してきた。

 平成4年の第16回参議院議員選挙には、野村秋介氏の「風の会」参議院議員選挙を前に考えるが、漫才師の横山やすし氏らを比例候補として擁立した時は、他にも30以上の団体が乱立する混戦となった。

 今回は、その平成4年に比べれば、「乱立」ではないかもしれないが、上表からしても、単独で得票率2%を満たす政治団体があるとは言い難く、右派勢力の混戦は共倒れ不可避の情勢と見てよい。

地方選挙で共闘すすめる政治力をつくる

 現状、まだまだ右派勢力が国政選挙で単独政党として政党要件を獲得できる素地は揃っているとは言えない。

 まずは地方選挙で勝利を重ねて、運動組織の核を建設していく事が重要だろう。

 そしてその為には、「主張するため」の選挙ではなく、とかく分裂しがちな右派勢力の共闘をすすめ、候補者の調整や一本化に向けた政治力(調整力)を養う必要がある。

 そうした力が無い限り、日本の右派はずっと反日勢力に負け続ける。愛国者の共闘を広げて前進しよう。

握手