なぜ習近平の国賓招聘に反対するのか(山本和幸)

安倍晋三と習近平

安倍政権が習近平指導部とスクラムを組み、「国賓来日」という既成事実をつくることに躍起である中、その問題点を取り上げる。

醜悪なる習近平指導部

習近平指導部は、明らかな拡張主義を露わにし、南・東シナ海から沖縄・尖閣諸島周辺の日本領土・領海・領空へと影響力を及ぼそうと、公船などを盛んに侵入させている。北海道など水源地での土地取得、秋元司代議士逮捕に代表されるIR事業をめぐる贈収賄など中国企業を介した内政干渉も現在進行形で起きている。邦人拘束も次々と起こり、往来が不自由である証明であり、アメリカ大統領なら武力行使という究極的措置をとるだろう。台湾、チベット、ウイグル、南モンゴル、香港など周辺諸国各国に対しても横暴を働くこと自体が目的化している。

日中には平穏な話題は些かもない。

天皇陛下に外交を投げるな

これらの問題のうち、尖閣諸島周辺海域に対する進出、邦人拘束問題、香港情勢やウイグル、南シナ海の問題について、安倍首相は昨年12月23日、北京で中国の習近平国家主席と会談した際に「対応を求めた」としている。

だが、外交上の「会談」とは、双方の発言する内容や協議する内容について、お互いの外交担当者の事務方が事前に綿密な打ち合わせを行い、シナリオを作る。事前に出てこなかった話が「とっさの思いつき」で出てくることはまずない。そのような思いつきでは、外交上の無礼や行き違いが起きて、戦争は頻発してしまうことだろう。お互いのメンツを保ち、つぶすことがないよう、自国民に対するアピールのためである(習近平指導部は民主制によって選ばれていないことはもちろんだが)。それを防ぐために外務省はある。

したがって、今回、習近平指導部は日本の国益を一定程度国家主席の面前で主張されることを許容している。中国の国益のためとの判断だ。すなわち、長期化する米中対立を僅かでも解消したいという表れであり、今こそ攻めるべき時である。日本がアメリカのメッセンジャーボーイになりたいと言うなら「国賓で日本に来たいならこれを解決しろ」と、様々な問題を迫る機会である。

総理大臣と外務大臣が自らの務めとすべき外交交渉を、天皇陛下に投げていては「臣」の務めを果たさぬものだ。高速化、情報化が進む今日、現地に乗り込んで談判するなり、電話会談は容易い。年末も延べ2時間近くに亙る会談と夕食会を行っており、その枠内で外交交渉は十分である。

中国の国益にしかならない「国賓招聘」はただちに中止を

今回の招聘に対し、日本共産党ですら「今年春の習近平主席の国賓での訪日を最優先して、相手が嫌がることは、言うべきことであっても言わない」と批判を始めている中、わが陣営が沈黙することは許されない。

われわれの答えは簡単である。身を挺して「博愛衆に及ぼし」に取り組んでおられる天皇陛下のお客様として相応しくない。天皇陛下の尊厳を守るためと、次なる「天皇陛下ご訪中」を阻止し、安倍政権による「習近平国賓招聘」は断固阻止しなければならない。

日本国民党は、幅広い連携の下、習近平国賓招聘反対運動を進めよう。

(しんぶん国民 令和2年1月号より)